京都大学基礎物理学研究所研究会
「Women in Physics 準備調査研究」

Women in Physics - IUPAPパリ会議」に向けて平成13年度京都大学基礎物理学研究所研究会として採択された「Women in Physics準備調査研究」に関する情報です。

研究会発足の経緯

2002年3月、国際純粋応用物理学連合主催で女性物理学研究者の国際会議「IUPAP International Conference on Women in Physics」がパリにて開催されることになり(Women in Physics - IUPAPパリ会議)、日本への参加協力依頼が、物理学会と応用物理学会にまいりました。これをうけて物理学会にパリ会議準備委員会がおかれました。我々は、これを機会に、今まで一度も調査されていなかった女性物理学者の実態を明らかにし、少ない女性研究者の中でも際立って少ない物理学の分野に、女性研究者を増やすための施策を考えていこうというワーキンググループ(WG)を発足させました。

この研究会では、女性が物理学の研究者になる過程で、大学院であるいは研究室でどのように育ってきたか、あるとすればどんなことが障害だったか、何が研究の推進力になるかといったことを明らかにし、女性物理学者を増やすためにはどういったことが条件となるかを掘り下げていきたいと考えています。現在では、大学院に在学中は性差を感じない状態が当たり前になってきていますが、それでも職を得る段階、あるいは昇進の段階でやはり性差を感じたという例が多いようです。このような事態はどうすれば解消できるのでしょうか。何が原因なのでしょうか。女性は業績が少ないのでしょうか。男性の何倍もの業績がなければ、認められないのでしょうか。日本の風土とも言うべき男尊女卑の風潮を変えて行くには、やはり国大協の答申にあるように、一定割合で女性を採用することを法的に設定すべきなのでしょうか。この答申に対しては、賛否両論が渦巻いています。この方針をいち早く実行したアメリカや、ヨーロッパの国々の成果(?)はどうだったのでしょうか。我々は、こういった疑問に一つずつ科学的に客観的データを示して答えるべきだと考えています。

そのために、これらの問題を考え、アンケート調査を行い、問題点の所在点を明らかにし、21世紀に展開すべき方針を考える会を、京都大学基礎物理学研究所の研究計画の一環として提案いたしました。もちろんこれは、直接、物理学を研究する研究会ではありませんが、女性が21世紀の物理学に参加する方法を模索するのも、学問の発展のためには必要なことと考えられます。

研究会の経過


©2001, Women in Physics, Japan
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