平成23年度(2011年度) マテリアル工学科3年 前期

 結晶塑性学

担当 安藤新二
□講義の目的
 この科目は、材料工学の基礎知識、特に「材料の構造・性質」に関する知識を身につけることを目標にした科目です。2年次後期「格子欠陥学」で得た転位に関する知識にさらに深め、より強度の高い材料などを開発するために欠かせない基礎的な力を身につけるのが目標です。この後、さらに3年次後期の「航空宇宙・環境材料学」へと進展しますので、ここで足固めをして下さい。本科目の達成目標は以下の通りです。
1.転位が持つ力学的性質を理解し、それによって生じる転位間の弾性的相互作用を吟味する。
2.転位間の様々な相互作用と固溶体硬化の原理を追求する。
3.変形された結晶中の転位組織や結晶粒界について学び、実用材料の機械的性質の基礎を学ぶ。
4.拡張転位、拡張転位の幅、その影響、降伏・加工硬化の基本的な考えを学ぶ。
□講義予定
テキスト「金属物理学序論」幸田成康著 コロナ社 を用いて,以下の内容を講義します.
なお講義予定は,状況により変更されますので随時チェックをするようにしてください.

第1回(4/11)(格子欠陥学の復習)
 8.2転位における原子配列
 8.3バーガースベクトル
 8.4転位を動かすに要するせん断応力
 8.5 転位のまわりの弾性応力場
 8.6 転位の自己エネルギー
 8.7 二つの転位間に作用する力

第2回(4/18)
 8.8 転位の運動 転位に働く力 上昇運動
 8.9 転位のジョグ ジョグの形成 ジョグをもつ転位の運動
 8.10 転位と点欠陥 ジョグをもつらせん転位の移動による点欠陥の形成
      刃状転位消滅による点欠陥

第3回(4/25)
 8.11 転位網の形成
 8.12 転位の増殖 フランクリード機構 フランクリード源
      逆応力(back stress)表面付近の転位 表面,界面(粒界)からの転位発生
      ギルマンジョンストン機構

第4回
 8.13 刃状転位と溶質原子の相互作用
 8.14 マクロなひずみ 転位密度

第5回
 9.1 あわ模型
 9.2 結晶のらせん成長
 9.3 デコレーション法による転位の観察
 9.4 エッチピット法による転位の観察

第6回
 9.5 透過電子顕微鏡
 9.6 X線回折

第7回
 10.1 結晶粒界の構造
 10.2 界面の種類
 10.3 小傾角境界
 10.4 ねじり境界
 10.5 大角粒界

第8回
 10.6 粒界エネルギー
 10.7 粒界への平衡偏析
 10.8 塑性変形に及ぼす粒界の影響

第9回(6/6)
 中間試験

第10回
 11.1 完全転位と部分転位

第11回
 11.2 面心立方結晶における拡張転位
 11.3 転位の分解と反応
 11.4 不動転位

第12回
 11.6 bccにおける転位

第13回
 11.5 hcpにおける転位

第14回
 11.7 降伏現象
 11.8 金属の強さ 加工硬化

■演習課題
演習1 

※レポート提出場所 研究棟I 11階レポートボックス 水曜 17:00まで

■中間試験
実施日 
場 所 
試験範囲 
準備するもの
★関数電卓(忘れた場合は,手計算で対応してください)

試験中使用してはいけないもの(使用した場合は不正行為と見なし,以後の受講を停止します)

★教科書,ノート,カンニングペーパー等
★携帯電話,パソコン等
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■解答例

■定期試験
場 所    教室

試験範囲 講義した範囲

準備するもの 及び 使用してはいけないもの
★中間試験に準じます.

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■演習課題提出状況
■出欠状況
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